2022.5.28 〜 2022.6.26
東京藝術大学大学美術館 本館 展示室3, 4(上野)/ The 5th Floor(根津)
本企画は、「新しいエコロジーとアート」をテーマに、現代におけるアーティスト、研究者ら双方の取り組みから、 エコロジカルな芸術実践に光をあてる展覧会です。
人間の活動が自然に大きくおよび、地球環境を変化させてしまった時代である「人新世」において、人間中心主義や過度な資本主義により、自然環境のみならず、私たちをとりまく社会や精神的環境までもが持続不可能の危機にさらされています。
このような状況の中で、アーティストたちは、これらの環境を総合的にとらえた「新しいエコロジー」を調査、観察し、新しい美学を通して、人々に伝える媒介、翻訳者となる役割を担っています。
アートは、Sensory Learning(感覚を通した学び)によって、見る者の身体、意識や感性に働きかける「ミクロ」な視座と、データや情報証拠に基づいて私たちの世界を取り巻くリアリティを可視化する「マクロ」な視座を提示することで、私たちの生き方や考え方に影響を与えていきます。
これからのアートは、分断された私たちを「共感」でつなぎ、動物や植物、モノなどを含む脱人間中心的な、複数のヒューマニティの可能性をさぐるものとなります。
本展は、ポストコロナの時代に新しい考え方、生き方を模索する私たちに差し出されたコンパスのように、さまざまな指標、ヒントをあたえてくれることでしょう。