この度、サテライトギャラリーSA・KURAでは、「2023年度コレクション展2 ひとのかたち―抽象―」を開催します。本展覧会は、「コレクション展1 ひとのかたち―写実―」に続き、抽象的な表現や色を支柱に感情や内面、精神性をあらわした人物表現をご紹介していきます。
「写実」では、作家それぞれが思い描く本物らしさを「写実」表現として紹介してきました。今回のテーマである「抽象」は、変形や歪曲、情動などによって強調された対象の造形要素の可能性を追求するものです。
1940年代後半から50年代にかけて、ニューヨークを中心にキュビスムやシュルレアリスムに影響を受けた作家たちによる「抽象表現主義」や、フランスを中心にミッシェル・タピエが提唱した前衛芸術運動「アンフォルメル」など、世界各地でこれまでにはない新しい表現が広まりました。日本でも戦後、抽象美術の先駆者である吉原治良をリーダーとした「具体美術協会」に見られるような、日本独自の抽象表現が展開されていきます。
本学の学長も務めた島田章三は、東京藝術大学で、山口薫や伊藤廉らに師事し、その後渡欧した先で、ピカソやブラックなどのキュビスムの作家から影響を受け、かたちが強く強調された「かたちびと」のテーマに出会うことになります。単純化され抽象化した人物像により、島田独自のスタイルを確立していきました。
また、本展覧会では、島田章三をはじめ本学にゆかりの深い大沼映夫、辻親造、宮崎進や、学生の卒業制作などと共に、ヘンリー・ムーアやアレクサンダー・アーキペンコなどの彫刻家の作品まで、幅広く抽象的なひとのかたちを展観していきます。ぜひ足をお運びください。
※新型コロナウイルス感染症の状況により、予定を変更する場合がございます。
最新情報は本学ウェブサイト、サテライトギャラリーSA・KURAウェブサイトをご確認ください。
詳細はこちら(サテライトギャラリーSA・KURAウェブサイト)
主催:愛知県公立大学法人 愛知県立芸術大学