「不易流行」という言葉には、本質的で普遍的なものを守りながらも、新しい変化を取り入れていくという意味があります。私たちは、伝統や先人の教えを大切に学びながら、自分たちの新しい感性でいけばなに変化を重ね、日々取り組んでいます。
野に咲く花を美しいと感じ、その美しさをさらに引き立てたいと願う心から、古の人々はこの道を歩み始めました。私たちもまた、その道を一歩一歩進んでいます。時には迷いが生じることもありますが、そんな時には、必ず立ち戻れる伝統「道」の心強さに支えられます。
その道が狭ければ広げ、行き止まりであればその先を作りながら、時代を超えていく。自然が生み出す美しさに心を奪われ、いけばなを通して発見と驚きを繰り返していきます。
複雑化した現代社会を生きる私たちは、常に先が見えない不安を抱えています。不確かな世界の中で、時折、暗闇に押しつぶされそうになることもあります。しかし、私たちには、先人たちが築き上げてきた確かな道、「華道」があります。先人が灯し続けたその道のりは果てしないかもしれませんが、私たちは一歩一歩、その道を確かに踏みしめて進んでいます。
今回の展覧会では、「不易流行」の意味を改めて見つめ直し、揺るぎない伝統と新しい感性が生み出す部分の対比をより鮮明に表現したいと考えています。
この年に一度の華展は私たちの日々の活動の集大成です。ぜひ、ご高覧いただければ幸いです。
京都精華大学 嵯峨御流華道同好会一同