日程:令和6年9月30日(月)
講師:三澤一実・杉浦幸子(武蔵野美術大学)
受講者数:25名(定員 25名)
「鑑賞」と「展示」から学ぶ、アートの「もの」「人」「場」の関係
1.開講式
全員が定刻に受付を済ませ、簡単な挨拶の後、文化庁より送付された DVDの視聴によって、「中高美 10 水墨画」の講座と合同で、開講式を行った。
2.理論研修(平田朝一調査官)
開講式と同じく「中高美 11」の講座と合同で、来校された平田朝一調査官より、直接、現行学習指導要領の理解及び研修の意義などの講義があった。
3. テーマ別実践研修
<午前の部>
① 前提講義
はじめに三澤講師の自己紹介を経て、学校や身近な生活の中にある多様な鑑賞について説明をし、その中で、美術科で扱う鑑賞について学習指導要領との関連から留意点を話した。
引き続き杉浦講師の自己紹介と、これまで取り組んで生きた鑑賞活動の紹介や、海外との比較、赤ちゃん鑑賞の取り組み、学校現場との連携活動などの話をして午前中が終了した。
<午後の部>
② 鑑賞ワークショップ
5つのグループに分かれ、実作品2点とその画像を鑑賞し、グループごとで感想を述べ合った。その後、作者とオンラインで繋ぎ、作者に対して作品の内容や制作についての質疑応答を行った。作者の登場で、それまでのグループで行った鑑賞をより深め、作品の見方を深めていった。
③ 展示演習
ギャラリースペースに移動し、実作品15点から各チーム3点を使って、作品展示を行い、その展示コンセプトボードをつくるワークショップを行った。
参加者は実際に作品の梱包のほどき方や、作品の使い方などを学びながら、3作品の関係性を考えながら展示テーマを決めて、どのように見せたいか相談し合い展示を進めて行った。
展示が終わったら、展示のタイトル名とコンセプトを用紙に書き出し作品の脇などに掲示し、展示のワークショップを終えた。
④ 講評会
各チームから、3作品をどのように関連付けて展示のテーマを考えたか、展示のコンセプトの説明を受け、見る人を意識した展示の工夫を発表した。
その各チームの発表を三澤講師と杉浦講師が講評した。講評の内容は作品の展示の空間づくりや、各作品との造形的な関連性、展示テーマとの関連性など、作品鑑賞を深める視点からの批評となった。
⑤ まとめ
作品の展示では、作品鑑賞が深まるだけでなく、展示空間を作るという表現活動にもつながり、さらには身近な生活を豊かにする美術文化についても実感的に学ぶことができたことを確認してワークショップを終了した。
⑥ 全体講評
平田調査官が、参加者に感想を聞くとともに、本講座の意義と学習指導要領上の位置づけを再度確認し研修の全体講評とした。
時間 | 内容 | 研修形態(方法) |
9:30~11:00 | 開講式、理論研修(平田調査官) | 参集 |
11:00〜11:10 | 研修前の操作確認・オリエンテーション(三澤) | 参集 |
11:10〜12:10 | 講義:「アート作品鑑賞という『こと』について考える」(杉浦) | 参集 |
13:10〜13:50 | 演習:「実物、デジタルでの作品鑑賞ワークショップ体験」(杉浦) | 参集 |
14:00〜15:30 | 演習:「展示作業」(杉浦) | 参集 |
15:30〜16:00 | 「展示発表と講評」(杉浦・三澤) | 参集 |
16:00〜16:40 | 講義:まとめ「学習指導要領上の位置づけについて」(三澤) | 参集 |
16:40〜17:00 | 全体講評(振り返り) 参集 | 参集 |
17:00 | アンケート提出後、研修終了 | 参集 |