花には、記憶が宿っています。それは、土や光に刻まれた時間であり、誰かのまなざしに触れた痕跡であり、多くの人の言葉にならない思いでもあります。
花をいけるという行為は、そんな花の記憶をすくい上げ、たぐり寄せて美くしく形づくること。私たちの手を通して、花はときに追憶となり、祈りとなり、過去と現在を結ぶ媒介となります。咲いては散り、消えては立ち上がる、儚くも確かな記憶の風景。花が持つ記憶は、やがて見るものの記憶へ変化します。今回の展示は、「花と記憶」をテーマに、見る人の新たな記憶の断片となるものを目指します。
この年に一度の華展は私たちの日々の活動の集大成です。ぜひ、ご高覧いただければ幸いです。
京都精華大学 嵯峨御流華道同好会一同
主催:おいでよ、Home実行委員会
後援:はな古伝