日程:令和2年12月3日(木)
講師:春原史寛(武蔵野美術大学)、三澤一実(武蔵野美術大学)
受講者数:40名(定員 20名)
ポップカルチャー作品の鑑賞活動における可能性
初めに春原講師から現代美術におけるポップカルチャーとしてのイラスト表現の歴史や位置づけを解説。引き続きサブカルチャーとしてデジタルイラストの今日的流行と今後の可能性についての講義があった。
休憩をはさんで、後半はデジタルイラストで作品を発表している作家、藤ちょこさんの作品紹介と、作者へのインタビューを通して、美術教育におけるイラストレーションの学習教材としての魅力について、受講生のデジタルイラストへの理解を図った。短時間ではあったがグループでの話し合いがあった。
まとめとして三澤講師により、デジタルイラストを鑑賞題材としたときの学習指導要領上の位置づけを確認した。デジタルイラストは生徒の興味関心を喚起し、美術の知識〔共通事項〕を理解する上で有効な題材となり得ることを確認した。
アンケートの感想からは、今まで鑑賞題材として扱ってこなかったデジタルイラストについての理解が進み、鑑賞題材として十分に効果が得られる教材としての認知がされたことが伺える。特に、年配の教員からは、デジタルイラスト自体に抵抗感が高く、美術の授業から避けてきた傾向がうかがわれ、理解できない故の扱いにくさや、関心の無さが感じられたが、実際に作者のインタビュー映像や、講師の解説を聞く中でその意識が和らぎ、教材としての魅力に気付いていく姿が読み取れる。
まとめの学習指導要領上の位置づけにおいては、学びに向かう力として、先ずは生徒に興味を持たせる現代的な題材であることや、作家インタビューを通して美術の知識を生かした作品制作であることが理解された結果、各教員が造形的な視点に着目できるようになり、学習指導要領の「知識」の項目と繋がっていったことがうかがえる。そして、教師自身が時代とともに変化する美術の在り方にも敏感に対応して行かなくてはならないという自覚も生まれていた。これらは本研修における十分な成果であると言える。
時間 | 内容 | 研修形態(方法) |
13:00〜14:10 | 現代美術としてのポップカルチャーや サブカルチャーについて美術的な位置づけの確認 |
講義 |
14:20〜15:30 | デジタルイラスト作、藤ちょこさんの作品紹介と 作者へのインタビューとグループセッション |
講義+ グループセッション |
15:35 〜16:00 | デジタルイラストの鑑賞を美術の授業で行う際の 学習指導要領での位置づけについて |
講義 |