日程:令和3年2月22日(月)
講師:和田圭壮(福岡教育大学)、中里将大(福岡県立三井高等学校)、八谷勝生(山口県立宇部西高等学校)
受講者数:20名(定員 40名)
新しい教育課程と主体的・対話的で深い学びの実現に向けた芸術科書道の授業
本研修は、現職教員2名による、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業提案と協議、教科調査官による指導・講評を通して、新学習指導要領の趣旨と高等学校芸術科書道の指導内容についての理解を深めるとともに、指導方法等の工夫と改善に取り組む上で必要となる、教員としての資質・能力を養うことを目的として行った。
授業提案は、事前に録画した動画を配信して受講者に視聴してもらった。その模擬授業については、授業の動画だけでなく、その授業内容に対する事前説明動画と、事後説明動画も合わせ、計6本の動画を事前に撮影し、受講者の理解が深まるよう工夫した。
まず、1本目の模擬授業①は、主体的な学びの実現に向けた書道Ⅰの授業:「牛橛造像記」をテーマにした、山口県立宇部西高等学校の八谷勝生先生による提案であった。主体的に生徒が学習に取り組めるような手立てとして、書を構成する要素を理解し、自分の言葉にできるようにしたり、あるいは、揮毫する課題文字を分析し、自分の文字に対する課題意識が見通せるようにしたりして、常に自分の作品を振り返ることができるように、ワークシートが工夫された授業であった。
動画の視聴後に、質疑応答を行い、ワークシートの工夫点や、書写・書道用語の獲得について等の意見交換があった。模擬授業において、生徒が主体的な学びに取り組めるようにするための授業展開、見通しをもって学習を進める授業の工夫について理解を深めた。
2本目の模擬授業②は、深い学びの実現に向けた書道Ⅰの授業:「これまでの学びを活用した鑑賞」をテーマにした、福岡県立三井高等学校の中里将大先生による提案であった。深い学びを実現するために、年間を通して、表現と鑑賞の授業において、書写・書道用語の蓄積をしてきたことを踏まえており、「書道Ⅰ」での最後の授業という設定での模擬授業であった。生徒が、いろんな考え方や価値観の多様性などに気づき、見方考え方を広げて、生活や社会の場面に生かすことができるようにすることや、書を学ぶことの意義、「書道Ⅰ」の学びが終了した時点で、生涯にわたって書を愛好する心情を育む、あるいは書を通して心豊かな生活や社会を創造していく態度を養うという、学習指導要領の目標に挑んだ提案であった。
動画の視聴後に、質疑応答を行った。鑑賞授業における直感的鑑賞と分析的鑑賞のあり方や、生徒の感じ方についての意見交換があり、また、新たに学習指導要領に加えられた、現代書を扱った鑑賞であったため、現代書の取り扱い、教材選定についても、意見交換が行われた。
また、深い学びを実現するために、書写・書道用語の獲得について、年間計画の中でどのように学んでいくのか、参考資料として提示された一覧をもとに意見交換があり、深い学びに対する理解を深めた。
時間 | 内容 | 研修形態(方法) |
13:00〜13:10 | オリエンテーション、操作確認 | Zoomでの配信 |
13:10〜13:50 | 模擬授業① 八谷勝生先生(山口県立宇部西高等学校) |
動画3本(事前解説、模擬授業、 事後解説)をZoomで共有 |
13:50〜14:30 | 授業者への質疑応答 | Zoomによる受講者との双方向協議 |
14:30〜14:40 | 休憩 | |
14:40〜15:20 | 模擬授業② 中里将大先生(福岡県立三井高等学校) |
動画3本(事前解説、模擬授業、 事後解説)をZoomで共有 |
15:20〜16:00 | 授業者への質疑応答 | Zoomによる受講者との双方向協議 |