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令和3年度 全国オンライン研修会レポート [テーマ別実践研修]
中学校美術科・高等学校芸術科美術:実施担当 女子美術大学

研修概要

日程:令和4年2月17日(木)
講師:福士 朋子(女子美術大学)、鈴木 淳子(女子美術大学)、広瀬 晴美(女子美術大学)
受講者数:24名(定員 各20名)

テーマ

漫画の仕組みと多様な表現の可能性
-漫画を活用した新たな表現方法を探る-

 

研修会の内容

オリエンテーションでは、研修テーマの趣旨や中学校学習指導要領における漫画の扱い、美術科教科書で取り上げられている漫画の内容について説明を行った。

講義では、日本が誇る文化である漫画について、絵画との違いなど多角的な視点から、漫画の特徴や仕組み、起源、歴史が明らかにされた。また、漫画的要素を取り入れた国内外の作家による様々なジャンルの作品が、「風刺」「誇張」「変化」「変容」などの漫画のキーワードを基に読み解かれた。講義の後半では、漫画の仕組みを基に発想し、発展させたユニークな学生の作品が紹介され、漫画表現の多様性や可能性が示された。

ブレイクアウトルームを活用したグループディスカッション(4名1グループ)では、研修参加者が事前課題として準備した「漫画を活用した授業アイデア」を一人3分程度で発表した。参加者の授業アイデアには、生徒の4コマ漫画を本にした実践や音楽科との教科横断的な題材、職場体験の経験を漫画にした実践例などがあり、授業づくりの工夫や日頃の丁寧な指導が伝わってくる内容であった。事例発表後は、指導の方法や工夫などについてディスカッションが行われた。

最後の全体発表では、各グループの代表者がグループディスカッションの内容を3分程度にまとめて発表した。各講師が、研修参加者の多様な授業アイデアに対する感想と研修全体のまとめを行い、テーマ別研修を終了した。

 

講義で紹介された学生の作品例

      

■受講者からの感想(アンケートより抜粋)

・美術科の教員は学校でも少数なので、研修する機会を得られるのは本当にありがたいことでした。他県の先生方の実践を知り、刺激にもなりました。テーマ別のグループ研修では時間が足りないと感じました。また、今回は漫画の表現方法について受講しましたが、他のテーマについても受講したいものばかりでした。複数、受講できたらと思いました。素晴らしい研修をさせていただき、ありがとうございました。”

・今の生徒たちが喜びそうな作品の提示など。生徒に色々な提案が出来るアイデアが持てる機会になりました。

・内容に関しては、知っているつもりでいることを改めて明確に認識出来たり、カテゴライズを考えさせられたりしました。内容量は丁度よかったと思います。これ以上だと苦しいかもしれません。今後の研修内容の要望は伝統文化、技術をどのように新しくしてつなげていくかなどの研修があれば良いなと思います。

・紹介された作品を今まで漫然と見ていましたが、改めてその絵画の持つ特徴を認識しました。マンガと美術の融合性や、マンガをどのように認識するかということを考えさせられました。

・漫画の仕組みそのものが作り手の思考を促すものだということ。また、それに取り組むことは、生徒の思考力を高めることにつながることであり、途中のプロセスがいかに大切であるか、評価すべきものかというところが印象に残った。

・作家としての視点、教育者としての視点の両面からの講義が大変興味深かったです。

 

 

実施スケジュール

時間 内容 研修形態(方法)
13:00〜13:10 オリエンテーション、研修テーマについての説明 リアルタイム
13:10〜14:40 講義 「漫画の仕組みと多様な表現の可能性~漫画を活用した新たな表現方法を探る」福士朋子 リアルタイム
14:40〜14:50 休憩
14:50〜15:30 グループディスカッション グループワーク
15:30〜16:00 全体発表 リアルタイム
16:00~16:00 休憩
16:10~16:30 全体講評 リアルタイム