日程:令和3年12月9日(木)
講師:川上 統(エリザベト音楽大学講師)
受講者数:60名(定員 各40名)
ICTを用いた音楽創作
本研修会では、ICTを用いた音楽創作ワークショップとして、基本機材としてiPad 音楽創作アプリ Garage Band を使用し、基礎から応用への実践を通して、実際の授業で使用できる「 音楽づくり」を受講者と一緒に体験しました。
昨年の基礎講座を踏まえ、機材の扱い方から音楽創作の授業組み立てへと、段階的に実践に取り組めるようになることを到達目標としたものです。また本年度は、事前アンケートを実施し、受講者の経験値を考慮しながら内容を組み立てると同時に、昨年度の要望に応じて、iPadだけでなく、クロームブックの音楽創作アプリSong Makerも用いて、それぞれの作曲方法の紹介を試みています。講座は全てリアルタイム、実際に一緒に作業をしながら進めていくワークショップ形式のかたちで実施されました。
《学習指導要領との関連》
中学校音楽科第1学年、第2学年及び第3学年 「A表現」(3)ア、イ(ア)、(イ)ウ、〔共通事項 〕 高等学校芸術科(音楽):音楽Ⅰ、Ⅱ「A表現」(3)ア、イ、ウ (ア)、 (イ)、〔共通事項〕 音楽Ⅲ「A表現」(3)ア、イ、ウ〔共通事項〕 |
講座の内容の詳細は以下の通りです。
① ICTを用いた「音楽創作」の考え方:事前アンケートに基づき、基本的な創作の考え方を解説するとともに、ICTならではの楽譜によらない直感的・視覚的な創作の考え方についての簡単な解説。
② iPad 音楽創作アプリGarage Bandの基本的な操作方法と創作実践:スイッチを入れるところから、ICTを用いた「音楽創作」の授業の一般的な手法を紹介。ドラムを使用した様々なリズムパターンを実践。
③ 創作実践:各音源サンプルと音階を利用した創作を経て、多重録音へ。
④ 創作実践の応用:生音を録って、音を重ねる手法。さらに様々なジャンルの音楽創作の方法や実例、ヒントの紹介。
⑤ Song Makerを使用した場合:基本セッティングと使い方。Song Makerの特徴と使用上の利点を解説。絵を描くように音楽を描くことの楽しさを知る、簡単なデモストレーション。
⑥ 参加者からの質問と情報交換(チャットを使用)
■受講者からの感想(アンケートより抜粋)
・今まで創作の授業は、楽譜にすることしか考えていなかったが、今回の研修を通して、デジタル音源による作品提出と評価という方法もあることに気づくことができた。このことで、楽譜を書くことに抵抗があった生徒にも取り組みやすい内容になると思った。 ・創作は、理論重視でなく、感覚的に行うことで、誰にでも楽しんで取り組むことができると分かった。 ・ICTを使うことで、楽譜に苦手意識のある子でも楽しんで取り組めることを実体験として感じました。 ・ICTを使用した創作について、譜読力、採譜力がなくとも、自分の直観でもって創作活動ができるということは、支援の必要な児童生徒にとっては、ハードルが下がり、他者と同じように活動ができる大変良い教材と感じました。「全ての子ども達が同じように活動に取り組むことができる」というのがポイントですね。 ・視覚的に音楽が簡単に作れると言うことが実践を通して学べました。アプリの使い方も詳しく知ることができ、大変勉強になりました。本校はクロームブックが主のため、ソングメーカーを使った実践も後半に示してくださったのでガレージバンドとの違いも分かり、とても参考になりました。創作の評価の仕方も授業をしながら更に研究していきたいです。 ・ICTを用いての創作活動における評価規準についての内容が印象に残った。 |
時間 | 内容 | 研修形態
(方法) |
13:00〜13:10 | 研修前の操作確認(セットアップ) | リアルタイム |
13:10〜13:30 | オリエンテーション・レクチャーとデモストレーション① | リアルタイム |
13:30〜 | 創作実践(基本操作と基礎:リズム・パターンの打ち込みによる作曲② | リアルタイム |
創作実践(基礎:音階を使用した創作)③ | ||
14:20〜14:40 | 休憩 | リアルタイム |
14:40〜16:00 | 創作実践(応用:録音の重ねどりによる作曲)④ | リアルタイム |
サンプラー、その他のデジタル・デヴァイスの紹介 | ||
16:00〜16:10 | 休憩 | |
16:10〜16:30 | 全体講評 | リアルタイム |