日程:令和3年12月9日(木)
講師:尾澤 勇(秋田公立美術大学)
受講者数:15名(定員 各10名)
陰刻レリーフの研究
-シーリングワックス印の制作を通して 授業への応用について-
「陰刻レリーフの研究 -シーリングワックス印の制作を通して 授業への応用について-」では、軟石を用いてシーリングワックス印の制作を行った。講義の主な流れは以下の通りである。
①オリエンテーション:シーリングワックスの歴史や制作手順、要点等についてスライドショーを用いて確認した。
②作品デザイン(印面)のスケッチ:シーリングワックス印の特徴である重層的なデザインについて工夫しながら印面のスケッチを行った。
ライブカメラを通して受講者からの質問に応答しながら、講師が助言を行った。
③印面の制作:デザインの転写、刻み、研磨の方法や要点について確認した。
受講者は篆刻表現にはない彫りの深さや彫り具合の表現に気を付け、創意工夫しながら制作を行った。
④シーリングワックス印の押捺:シーリングワックスの溶かし方について確認し、実際に葉書にワックスを垂らし押捺した。
シーリングワックスは粒状のものとスティック状のものを用意し、それぞれの制作方法について実演を交えて説明した。
⑤講評:最後に受講者が完成作品を発表する時間を設け、各自の作品についてライブカメラを通して全体で鑑賞した。
また講師による各受講者への講評を行った。
■受講者からの感想(アンケートより抜粋)
・シーリングワックス印の制作は、そんなに簡単ではないと思っていたが、グルーガンなども使え大変便利で授業に持ち込み安い内容を教えて頂いたと思う。 ・初めてシーリングワックスの印を彫ったが、彫刻の要素がたくさん含まれており、篆刻ではなくレリーフだと実感できた。 ・受講者の顔だけだと、進み具合いやミスなどに気づけないので、制作ではほかの受講者の手元が見えると、生徒と同様に安心感が生まれると思いました。 ・篆刻、木彫のレリーフとは違う表現の仕方が新しい感覚だった。具体的な制作の工程も実践できたからこそ、具体的に注意点や授業への取り入れ方についても考察できた。 ・美術の授業でよく扱われる篆刻は、押印した際に白文と朱文の平面的なデザインにしかならないが、シーリングワックスの薄肉のレリーフでは、彫った面がそのまま蝋の形になるということを講師の方のお話で聞き、同じ高蝋石の素材でも表現の幅が広げられることに気づきました。 |
時間 | 内容 | 研修形態(方法) |
13:00〜13:25 | オリエンテーション(教材の確認と説明) | PowerPoint |
13:25〜13:35 | 印面の研磨や転写方法の説明 | PowerPoint リアルタイム |
13:35〜13:55 | 印面の発想・構想、印材の下処理 | 各自作業 |
13:55〜14:15 | 印面の彫り込みや研磨の方法について説明 | PowerPoint リアルタイム |
14:15〜14:30 | 印面の制作。印面の彫り込み。 | 各自作業 |
14:30〜14:40 | 休憩 | |
14:40〜15:30 | 印面の制作。印面の彫り込み。 耐水ペーパー等で研磨し完成。 | 各自作業 |
15:30〜15:45 | シーリングワックス印の押捺方法について説明。 | リアルタイム |
15:45~15:50 | 蝋を溶かし、シーリングワックス印を押捺する。 | 各自作業 |
15:50〜16:00 | 作品講評及び全体講評 | リアルタイム |
16:00〜16:10 | 休憩 | |
16:10〜16:30 | 全体講評 |