日程:令和6年12月12日(木)
講師:井上明彦・飯田真人(京都市立芸術大学)
受講者数:14名(定員 40名)
京芸のそうきそ 〜大学初年次プログラム『総合基礎実技』の授業から学ぶ〜
映像による理論研修に引き続き、飯田先生より「美術の授業における協働的な学びについて」と題して、美術の活動における育成すべき資質・能力について、感覚を通して得る知識や対話の重要性などについて講義しました。
その後、井上明彦先生による「京都市立芸術大学美術学部の総合基礎実技(そうきそ)について」と題して、近代の美術の動向と本学のあゆみから総合基礎実技がどのように生まれ展開されてきたのかなどを活動の記録やその意義について解説し、今求められている美術教育のあり方や方向性について話がありました。
また、午後の総合基礎実技の体験的な実技演習はテーマ「じどう」(自動、児童など多様な意味合いを持つ言葉)の課題を説明されました。その導入としてそれぞれの発想や構想を広げてもらうためにワークショップで全員が学内の大階段上から一斉に80個以上のボールを転がし、その動きの観察や場の体験を行いました。
午後からは、用意された材料(木材、絵の具、竹、ボール紙、クラフト紙、布、針金、紐、ロープなど)や用具(材料を生かしたり加工できるもの)に加え、各自が必要に応じて購入や収集してきたものを組み合わせてテーマ(「じどう」)を基に各自自由に制作しました。
普段の表現活動とは違った視点での取り組みだったので、戸惑い等も見られましたが、参加者それぞれが作品を通しての交流もあり、発想や構想を広げ積極的に取り組むことができたと思います。
最後に作品発表があり、井上先生による講評をはじめアシスタント、参加者の意見交流が行われました。
発表ではそれぞれの考え方や制作過程が話され、「対話的で深い学び」について考える機会にもなりました。
表現活動が作品の完成や技能習得に偏りがちな傾向も見られる中で思考力の育成という美術教育の大切な役割について再認識しこれからの美術教育を考えるきっかけになったのではと思います。
時間 | 内容 | 研修形態(方法) |
9:30~10:30 | 開講式・理論研修 | 動画視聴・参集 |
10:30〜10:35 | 休憩 | |
10:35〜11:10 | 講義「美術の授業における協同的な学びについて」 | 参集 |
11:15〜11:20 | 休憩 | |
11:20〜12:30 | 講義「京芸のそうきそ」 ① 午後の実践研修課題の説明 ② 実験(二つのデモンストレーション) |
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12:30〜13:30 | 昼食 | |
13:30〜16:50 | 実践研修「自由制作」 | 参集 |
16:50〜17:00 | 全体講評 | 参集 |