• 以降のイベントを検索

令和6年度 全国研修会レポート [テーマ別実践研修]
中学校美術科・高等学校芸術科(工芸)[中美高工5]:実施担当 東京造形大学

研修概要

日程:令和6年12月13日(金)
講師:井関大介・山田猛(東京造形大学)
受講者数:7名(定員 20名)

テーマ

アイデアを形に
―3Dプリンターを活用したマケット作成―

研修会の内容

・平田教科調査官による理論研修講義視聴の後、3Dプリンターの活用実践のためにインダストリアルデザイン専攻の教室に移動して実技研修を行った。
・実践研修の初めに、教職課程山田より発想や構想を練ることから用と美について検討し、右脳と左脳、制作と言語活動、生徒と指導者の視点等、それぞれの往還によるスパイラル的なイメージ生成について、本日の学びから工芸の授業デザインへと展開するにあたって本日の活動の導入として実施した。

・導入レクチャー後、インダストリアルデザイン専攻領域井関准教授による3Dプリンターを活用したマケット制作にあたってのレクチャーとして、タブレット端末による3Dデザイン用のソフトの使い方や3Dプリンターの組み立てや初期設定、使用方法等の詳細な説明がされた。3Dプリンターが、かつてと比べ安価になり、扱い方も簡単になっていることで、学校現場でも汎用性の広いものになっている状況説明がなされた。

・受講者は、タブレット端末で3Dデザイン用ソフトのチュートリアルを体験しながら、感覚的に使用方法を理解していった。底面の形を作成しそれを押し出しながら立体を作成していく基本から、軸をもとに回転による立体作成、角度を指定し削っていく作業、面取りをしながら立体をソフトな形に調整したり、窓や穴をあける方法等を学んでいった。今後の活用の広がりを考慮し、ソフトは学校現場において無料で使用できるものが紹介された。不明な点は、作業補助の大学院生等が個々にあたりながら理解を深めていった。

・発想から立体物制作に繋げるための構想を練り上げ、3Dプリンターを活用してマケットを制作するため、受講者各自は、立体のイメージをタブレット上でアイデアを試行錯誤しながら練り上げていった。限られた時間でプリンター出力までできることを考慮し、小さめのデザインが推奨された。
・タブレット上でデザインした立体イメージをPCに読み込み、マイクロSDカードで3Dプリンターへ読み込ませた後、出力を行った。受講者は自分のデザインした立体が少しずつできていく3Dプリント過程を興味深く観察していた。

・3Dプリンターは、フィラメントをノズルから溶かしながら積層しつつ立体を作っていくことから、層の段差が縞状になるため、やすり掛けが必要となる。参加者は自分の作品が3Dプリンターで打ち出される間、他の見本を使用しやすり掛け作業を行った。

・また、フィラメントの色で多様な色でプリントアウトできるものの、本研修においては参加者の夫々の好みの色のスプレー塗料での作品塗装を、希望者には塗装室に移動し体験的に実施した。

・実践研修後、閉校式で小図3、小図4とともに、本日のそれぞれの研修内容の共有を行った。
本日の3Dプリンター活用したマケット制作を通して、発想や構想、さらに用と美について考察することで、題材開発や授業デザインに繋がる気づきや新たな視点獲得へのきっかけづくりになってくれることを期待したい。

実施スケジュール

時間 内容 研修形態(方法)
9:00〜9:30 受付
9:30~9:45 開講式(小図1、小図2、中高美工2合同) 参集 / ビデオ視聴受講
9:45~10:45 開講式・理論研修(平田文化庁教科調査官) 参集 / 受講
10:45~10:50 休憩・会場移動
10:50~11:20 講師紹介・会場案内(小図1、小図2、中高美工2合同) 参集 / 受講
11:20~12:00 オリエンテーション、レクチャー①、制作活動導入 参集 / 受講
12:00〜13:00 昼食
13:00〜16:30 演習 制作 参集 / 受講
16:30~16:40 移動 参集 / 受講
16:40~17:00 各分科会研修
内容の共有閉講式(小図1、小図2、中高美工3合同)
参集 / 受講