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令和3年度 全国オンライン研修会レポート [テーマ別実践研修]
小学校音楽:実施担当 京都市立芸術大学

研修概要

日程:令和4年2月17日(木)
講師:藤田 隆則(京都市立芸術大学)、竹内 有一(京都市立芸術大学)
受講者数:29名(定員 各20名)

テーマ

やってみよう!身体で感じとる我が国の音楽
-能楽と三味線音楽の世界にようこそ-

 

研修会の内容

〇 能楽の実践と鑑賞
最初に、能楽の理解を深めるための参考となるHP等を紹介した。
つづいて、ゲストの河村晴久氏とともに、数年間にわたり作成に取り組んできた教材を基に、能楽の実践を行った。

受講者をパートごと(謡、笛、太鼓、鼓など)に分け、最後にそれぞれ合わせることで、能楽の実践における楽しさを共有することを試みた。12月に行われた中学校・高等学校向けの講座では、理論的な説明に多くの時間を費やしたが、二回目となる「小音3」では、表現を交えた実践の部分により多くの時間を使うよう工夫し、伝統音楽による豊かな感性を育む教育の可能性を示した。

 

〇 三味線音楽の実践と鑑賞

三味線のない環境で、三味線音楽をどう扱えるのか、という難題とその可能性について、講師なりの方法と考え方を提供することを目指した。
共通テーマ「身体による実践」という切り口から、声を出す、手を動かす、頭を柔軟に使うことで、わかりにくいと思われがちな古典曲に、教員と生徒が一緒に親しむ手法で挑んだ。実際に、対面で学生に参加してもらうことで、表現を交えた授業での実践が可能となるよう工夫した。

 

 

■受講者からの感想(アンケートより抜粋)

・話を聞いたりスライドを見たりするだけでなく、実際に声に出したり手をたたいたりして活動できる時間を確保してあったのがよかった。自分がしたことを、子どもたちに合わせた形でさせてみたいと感じた。

・オンラインでしたが、伝統芸能を体験することができるように工夫され、分かりやすい楽譜や資料もあったので、とても分かりやすかったです。紹介されていた参考資料も確認して、さらに学びを深めていきたいです。

・高尚で敷居が高いと思っていたお能と三味線の世界ですが唱歌によって独特の発声やリズムを使って授業で取り入れられそうと、具体的な方法がわかって良かった。

・能楽の基礎用語が、教科書などにはない、わかりやすい説明でした。また、常磐津の基礎についても、初めて知る内容も多く、専門性の高い講義でした。

・実技の場面で呼吸やタイミング、顔や体の筋肉の使い方がよくわかります。また、資料を共有で提示していただけるので、声の出し方、鼓を打つタイミングなど本当によくわかりました。わかりやすさ、親しみやすさを第一に考えてくださっているのがとても嬉しく、子どもたちにもこんなふうに我が国の音楽に親しませていきたいと思いました。

・能楽がとても面白く興味を持ちました。リズムは規則的で、唱歌も子どもたちが楽しく歌いそうで能楽指導のハードルがぐっと下がりました。身体で感じてから改めて聴くことで、さっき自分が演奏した部分がわかり、聴いていても楽しいと感じました。子どもに聴く視点を与えることが大切だと感じました。

 

 

実施スケジュール

時間 内容 研修形態(方法)
13:00〜13:10 研修前の操作確認・オリエンテーション リアルタイム
13:10〜14:30 身体による実践「能楽」~曲想とリズム~ 実践
能楽の面白さ~能楽の基礎知識~ 講義
能楽を鑑賞する 鑑賞
14:30〜14:40 休憩
14:40〜16:00 身体による実践「三味線音楽」~曲想と音楽~ 実践
三味線音楽の面白さ~三味線音楽の基礎知識~ 鑑賞
三味線音楽(常磐津節)を鑑賞する 鑑賞
16:10〜16:30 全体講評