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令和5年度 全国研修会レポート [テーマ別実践研修]
中学校音楽科・高等学校芸術科 (音楽) [中高音3]:実施担当 京都市立芸術大学

研修概要

日程:令和5年12月14日(木)
講師: 細川周平(京都市立芸術大学)、林 幸治郎 ・ 竺原みなみ(東西屋)
受講者数:13名(定員  30名)

テーマ

音のある風景
―ちんどん屋さんが街にやってきた。暮らしの中の音楽と文化について―

 

研修会の内容

午前の講義では、日本伝統音楽研究センター所長の細川周平より、「東西屋繁盛記―大道音楽の昨日今日」と題して、「ちんどん屋」の歴史を明治・大正・昭和の街の文化や風俗等の時代背景と絡めて解説するとともに、ジャズとの関連性なども交え、幅広い内容で講義を行いました。

午後は、現在も「ちんどん屋」として活動する東西屋の林幸治郎氏と竺原みなみ氏、二胡演奏者である小林寛明氏を招き、「ちんどん屋」のパフォーマンスを交えた講義と演習を行いました。林氏の講義では、自身の音楽との出会いやこれまでの取組等を交えながら、「ちんどん屋」の歴史、東西屋の歩みと最近の活動や現状の課題、「ちんどん屋」の今後の展望などを紹介しました。

参加者は、普段、聴き馴染んでいる西洋音楽や日本の伝統音楽、ポピュラー音楽とは少し違った音色やリズム、旋律等にはじめは少し戸惑いつつも、
林氏の解説とともに繰り返される「ちんどん屋」の演奏とパフォーマンスに徐々に魅了され、既存概念に捉われない音楽づくりを体感的に理解していきました。
また、「物売りの声、わらべ唄、言葉の節回しとリズム」など、消えつつある街の音や音楽を再認識するとともに、暮らしの中の音という観点から、音楽文化について考えを巡らせました。

後半は、「ちんどん屋」で大切な要素である「歩行」について解説し、参加者全員が実際に演奏に合わせて「運足」を行いました。最後は、参加者がそれぞれ持参した楽器用いて「お正月」を演奏しながら練り歩き、身体全体で「ちんどん屋」の音楽を体感しました。

本研修では、日本語や日本の伝統音楽に根付いて独自の発展を遂げてきた「ちんどん屋」の音楽を通して、日本の音楽文化について深く考えることができました。

実施スケジュール

時間 内容 研修形態(方法)
9:30~10:45 開講式・理論研修(文化庁による進行) 動画視聴・参集
10:45~11:00 休憩
11:00~11:40 講義「東西屋繁盛記 ―大道音楽の昨日今日」 参集
11:40~12:00 午後の演習の説明
12:00~13:00 昼食
13:00〜13:30 演習「ちんどん屋の歴史と西洋音楽の受容」 参集
13:35〜14:05 演習「明治・大正期のはやり唄」 参集
14:10〜14:40 演習「楽音と非楽音、音楽と言葉について」 参集
14:45〜15:15 演習「物売りの声、わらべ唄、言葉の節回しとリズム」 参集
15:20〜15:50 演習「歩行と音楽の融合、歩行の意義とは?」 参集
15:55〜16:25 演習「運行の事例を試しながら、各々楽器を奏したり、唄ったりしてみる」 参集
16:40~17:00 全体講評(文化庁教科調査官) 参集