日程:令和5年12月14日(木)
講師:藤原智也(愛知県立大学)・井手康人(愛知県立芸術大学)
受講者数:5名(定員 30名)
日本の造形美術教育と国際理解・異文化理解に向けた作品鑑賞
1.時代の変化と社会課題
Society5.0の認識について、最近の研究動向をもとに概説した。
これからの時代に求められる教育のあり方と、そこに向けて芸術教育や造形美術がどのような貢献をできるのかを講義した。
2.学習指導要領の特徴と国際比較
日本の学習指導要領の歴史的な変遷と三権分立での認識の差異、先進各国との比較によって、その特徴を明らかにした。
3.認知科学から見た子どもの発達と造形美術
近年の脳や進化に関する研究知見をもとに、人間の認知活動における感情や感覚を介した
創造活動の重要性について、子どもの発達の視点も入れながら概説した。
4.比較鑑賞ワークショップ
特に視知覚の熟達化を促す「色や形の比較」を軸にしながら、日本の代表的な美術作品数点についてグループワークを取り入れながら鑑賞した。
そこでは、言語や数字で規定される唯一解ではなく、感覚や感情や経験に基づいた解釈や納得解とそれらへの相互の共感の大切さを体験的に理解することを促した。
5.日本美術の理解と西洋理解
近代日本の美術教育理念を草創期に打ち立てた岡倉天心に触れた上で、日本と西洋の同時代作品の比較鑑賞を行なった。
グローバル化が進む社会において、共感性と創造性を育む造形美術教育の意義を、芸術家たちの創作や①〜④の振り返りも交えて講義した。
時間 | 内容 | 研修形態(方法) |
9:00〜9:30 | 受付 | |
9:30〜10:45 | 開講式・理論研修 | 講義 |
11:00〜12:00 | ①時代の変化と社会課題 | 講義 |
13:00〜13:50 | ②学習指導要領の特徴と国際比較 | 講義 |
14:00〜14:50 | ③認知科学から見た子どもの発達と造形美術 | 講義 |
15:00〜15:50 | ④比較鑑賞ワークショップ | 演習 |
16:00〜17:00 | ⑤日本美術の理解と西洋理解 | 講義 |