日程:令和4年12月15日(木)
講師:高浜利也(武蔵野美術大学)、大坪圭輔(武蔵野美術大学)、所彰宏(武蔵野美術大学)
受講者数:18名(定員40名)
解き放たれた絵画:
ミニアートブックの制作
●午前中(受付・開会式・全体研修・理論研修) 9:30~11:45
予定された受講者18名全員が定刻までに、武蔵野美術大学三鷹教室に参集し、受付を済ませた。諸連絡の後、エッサム神田からのZoom配信をプロジエクター画面により聴講した。オンライン上のトラブル等もなく、順調な聴講であった。
●午後(テーマ別実践研修) 13:00~16:00
①版画教育における「本」への展開について
高浜利也教授より、近年の版画の動向を踏まえ、アートブックとは何か、「版画」が「本」という形式に向かう背景について講義があった。また、美術大学版画教育現場における「本」への展開の事例紹介やリソグラフ(印刷機)の版画技法としての普及についても説明がなされた。
②「本(=アートブック)」を手に取ってみる・各種アートブック鑑賞
武蔵野美術大学版画研究室が所蔵するアートブックやそれの類する資料を受講者が、実際に手に取って鑑賞し、高浜教授が解説を行った。また、会場に資料を展示し、時間内に自由に閲覧できるように展示した。
③ミニ アートブックの制作
・③-1 デモンストレーション:所彰宏助教と田中千里学生アシスタントが制作のデモンストレーションを行うとともに、制作のポイントなどを解説した。
・③-2 制作・個別指導:制作はまず各自のドローイングからはじめ、ドローイングの裏面の線に沿ってそれをカットし、カットしたものをページとして構成を考える。また、写真雑誌などの切り抜きをページにしたものや、他の受講者とページを交換するなどして、本としてたばね構成した。この間、高浜教授、所助教、田中学生アシスタントが個別の指導支援を行った。
④制作後の鑑賞、講評
各自の作品を一カ所に集め、高浜教授と大坪圭輔教授が特徴的な作品を指摘するとともに、制作した受講生からの話を聞き、お互いの作品を鑑賞した。
⑤まとめ、感想発表、意見交換
高浜教授と大坪教授が司会をしながら、アートブックの学習題材としての可能性や中学生及び高校生の興味や関心、思考力、判断力、表現力の育成等について意見を交換した。受講者からは、アートブックには生徒の興味を引く要素が多様にあることが指摘された。
⑥学習指導要領との関連・題材としての展開の可能性
大坪教授より、ICTの活用のみならずAI利用によって思考や表現に大きな変化が生まれる可能性を視野に入れつつ、イメージを生成することの重要性が説明された。また、今回のアートブックの題材と美術科に求められる「造形的な見方・考え方」の関係性について講義あった。
●まとめ(全体講評) 16:20~16:40
午前中と同様に、エッサム神田からのZoom配信をプロジエクター画面により聴講し、本日の研修を終了した。
時間 | 内容 | 研修形態(方法) |
9:30〜11:45 | 開講式、全体研修、理論研修(教科別:文化庁による進行) | オンライン |
13:00〜13:05 | テーマ別実践研修講師紹介、諸連絡 | 参集 |
13:05~13:25 | 版画教育における「本」への展開について | 参集 |
13:25~13:40 | 「本(=アートブック)」を手に取ってみる 各種アートブック鑑賞 |
参集 |
13:40~15:10 | ミニ アートブックの制作 13:40~14:00 用具配布、デモンストレーション 14:00~15:10 制作、個別指導 |
参集 |
15:10~15:30 | 制作後の鑑賞、講評 | 参集 |
15:30~15:45 | まとめ、感想発表、意見交換 | 参集 |
15:45~16:00 | 学習指導要領との関連・題材としての展開の可能性 | 参集 |
16:20~16:40 | 全体講評(教科別:文化庁による進行) | オンライン |