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令和4年度 全国研修会レポート [テーマ別実践研修]
高等学校芸術科書道 [高書1]:実施担当 東京学芸大学

研修概要

日程:令和4年12月15日(木)
講師:加藤泰弘(東京学芸大学)、鍋島稲子(台東区立書道博物館)、加藤眞太朗(愛知県立松陰高等学校)
受講者数:22名(定員40名)

テーマ

書道教育における鑑賞の授業の工夫:
知的財産権を踏まえた鑑賞指導の在り方

 

研修会の内容

本研修では、東京藝術大学音楽学部大会議室でオリエンテーションを行ったのち、台東区立書道博物館に税院で移動し、常設展示と企画展「抵抗と恭順 リターンズ ー激動の明末清初ー」を参観した。
参観にあたっては、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、2グループに分け、前半・後半として、鍋島稲子主任研究員の解説と自由参観を組み合わせて行った。
各グループ20分という短い時間ではあったが、鑑賞における作品の見方や捉え方についての解説を受けながらの参観は、芸術科書道の授業実践の工夫を考える参考となった。鑑賞修了後、休憩をかねて東京藝術大学音楽学部大会議室へ移動した。

●研修の二つ目として、本研修のテーマの一つである「知的財産を踏まえた鑑賞指導のあり方」を踏まえ、鍋島稲子学芸員から「文化財と知的財産権~博物館・美術館を例に~」という講義を行ったのち質疑・応答を行い、豊口調査官からも補足説明があった。



鍋島学芸員による講義の様子

●研修目の三つ目として、愛知県立松蔭高等学校の加藤眞太朗教諭より、「書道Ⅰにおける知的財産権に配慮した鑑賞の授業」と題した実践の発表が行われた。発表は事前説明、授業、事後説明の三つのパートから構成されている。

●事前説明では、学習指導要領との関連、ICTの効果的な活用、知的財産権・著作権についての授業における考え方、単元の設定構成と授業内容、本時のねらい、指導と評価の計画についての解説を行った。授業は、事前に検討を重ね撮影した動画を流し、学習指導案を参照しながら視聴した。一人一台のタブレット端末を活用して、書の表現性や表現性について書への理解を深める授業展開であった。e国宝・国立文化財機構所蔵国宝・重要文化財というサイトを活用した。

●また、ロイロノートを活用したグループ活動、テキストマイニングを使用した授業展開など、ICTを効果的に活用した授業展開であった。事後説明では、学習指導要領の芸術科書道に示された〔共通事項〕と授業との関連等について、「墨量」と「墨色」に焦点をあて表現性と表現効果を考える内容を説明した。また、あわせてICTを活用する上での課題についても説明があった。その後、の質疑・応答、研究協議では実践における、表現性と表現効果の関係性、ICTの効果的な活用に関する質問が出された。



生徒がICTを活用している場面

 

●終わりに、豊口和士調査官から、今回の授業の単元の全体像についての補足説明、今回の授業に照らし合わせたICTの効果的な活用、指導と評価の一体化の考え方、著作権法第35条等について指導・助言があった。

 

実施スケジュール

時間 内容 研修形態(方法)
9:30〜11:45 開講式、全体研修、理論研修(教科別:文化庁による進行) オンライン
13:00〜13:10 オリエンテーション(趣旨説明と日程説明) オンライン
13:10~14:00 研究員(学芸員)による知的財産権を踏まえた鑑賞の授業についての講義と質疑応答 オンライン
14:00~15:10 現職教員による鑑賞の授業実践報告 オンライン
15:10~15:20 休憩 オンライン
15:20~16:10 質疑応答と研究協議 オンライン
16:10~16:30 教科調査官による全体講評 オンライン
16:30~16:40 閉講式 オンライン