日程:令和5年2月13日(月)
講師:小倉隆(常葉大学)、合津正之助(常葉大学)
受講者数:12名(定員20名)
第一部は、身近な紙(お菓子などのパッケージ箱)を材料に用いた「造形遊び」の活動を通して、感性を働かせた活動を工夫してつくることができるようにする創造的な表現活動の展開に対する学習活動の提案(授業)を、実践を踏まえて行った。
また第二部は、言語活動の重視の観点から、言葉からイメージしたことから発想し、思ったこと、考えたこと、表したいことを見付ける活動を「絵に表す」活動へ展開する学習活動(授業)について、教材研究のきっかけとしての提案と発展的な学習活動としての鑑賞活動(授業および教材)を具体的な内容を含め提案した。
小学生(児童)対象の研修(プログラム)を2部構成として、より多くの学びの経験に接する機会とした。第1部は、身近な紙(お菓子などのパッケージ箱)を材料に用いた「造形遊び」の活動を通して、感性を働かせた活動を工夫してつくることができるようにする創造的な表現活動の展開に対する学習活動の提案(授業)を、実践を踏まえて行った。また第2部は、言語活動の重視の観点から、言葉からイメージしたことから発想し、思ったこと、考えたこと、表したいことを見付ける活動を「絵に表す」活動へ展開する学習活動(授業)について、教材研究のきっかけとしての提案と発展的な学習活動としての鑑賞活動(授業および教材)を具体的な内容を含め提案した。
第一部の「造形遊び」に係わる内容として、SDGsの観点を踏まえ、生活する中で身近にある新聞紙やチラシ、再生紙などに着目し、紙を用いた「造形遊び」と、「感性を働かせて創造的につくったり表したりする活動」を展開したとともに、題材の構想や指導方法について演習を通して経験的に学びの定着を図った。
まず、学習指導要領における「造形遊び」と「感性を働かせて創造的につくったり表したりする活動」の考えと扱いについて、今回の活動内容を踏まえながら説明を行った。実際に行った「造形遊び」の活動の様子等を撮影した画像を紹介し、より実践的に内容の理解を促す活動を行った。
次に理論と実践の融合を図るため、今回のプログラムは新聞紙やチラシなどの身近な紙類の中から、お菓子の空き箱を利用し、色やパッケージデザイン、素材の手触りや感触などを確かめ、ちぎる、折る、つなげる、伝承の折り方など、基礎的な技能や表し方などを工夫して、材料(色や模様などのある紙)のよさを味わい、教材としての紙の特徴に気付いたり、創造的につくったり表したりすることの楽しさを、体全体を使って活動することにより味わう学びを行った。
また、直感的にパッケージデザインや色、ちぎったり切ったりした形など、対象の特徴を捉え、理解しイメージを抱いたことを基にした具体的な活動は、視覚や触覚などの感覚、受講参加者自身の主体性や能動性が示された。
形や色、イメージなどは、表現及び鑑賞の活動で発想や構想、創造的な技能、鑑賞などの能力を働かせる際の具体的な手掛かりになっているとともに、それぞれの児童の生活経験、社会や文化などに深く係わり、一人一人の児童が生きる上で大切な役割を担っているという観点から、受講者全員でこのプログラムによって各自がつくった作品の鑑賞活動を行い〔共通事項〕としての学習活動の演習も実施した。
第二部では高学年(今回は6年生)を対象とした、言葉の情報から表現に展開することで、個(それぞれの違い)を知る学習活動(題材)を提案した。一人一人の感じ方や捉え方の違いに学習者(児童)が気付くことで、個性を認め合いながら豊かな想像力の育成につながる学習活動について、具体的な学習活動(題材および授業)を提案し受講者各自が考察した。
まず言語活動の重視の観点から、言葉の情報から発想し「絵に表す」活動へと構想する学習活動の展開について、学習指導要領における考えの位置付けについて説明を行った。また、今後の教育の方向性であるOECD「The OECD Learning Compass 2030(学びの羅針盤2030)」との係わりについて、図画工作科の果たす役割と児童が身に付けるべきコンピテンシーとの係わりについて解説を行った。
次に個性を認め合う授業の考えとその指導方法等について、授業事例と指導計画により具体的に解説を行った。提案する学習活動は、次の通りである。まず、発達段階に配慮した任意に選んだ絵画作品(今回は、シャガール作『サン=ポールの空と太陽』を扱った)について、客観的に分析し、視覚情報のみの文章(言葉の情報)を提示する。次にその情報を基に児童各自が想像した絵を描き、それぞれの違いを理解し認め合う鑑賞の学習活動を行い、価値観の多様性と個性を尊重する学習活動へと展開する。これらの内容を具体的にまとめた資料により提示した。
発達段階に配慮し、提案事項(プログラム内容)を理解し実践する目当てを持つことと、言葉から具体的な物事を想像できるための言語表現を身に付けること、価値観の多様性と個性を尊重する学習活動を理解し、指導できる資質・能力について考えるなどの試みを行った。
さらに形や色、イメージなどを言葉のように使いながら生活や社会と豊かに係わるコミュニケーション能力の基盤になるものであるから、教材として扱う作品の特徴である形や色、線や面、動きや奥行きなどと、心の中につくりだす像や全体的な感じ、または、心に思い浮かべる情景や姿などであるイメージに対して、感性を働かせる具体的な鑑賞活動の視点から〔共通事項〕へのアプローチを行った。
時間 | 内容 | 研修形態(方法) |
9:30〜11:45 | 開講式、全体研修、理論研修(教科別:文化庁による進行) | オンライン |
13:00~13:45 | オリエンテーション | オンライン |
13:45~14:00 | 制作①(アイデアスケッチ) | オンライン |
14:00~14:10 | 下描き、地金取りについての説明 | オンライン |
14:10~14:30 | 制作②(下描き、地金取り、カッティングシート切り抜き) | オンライン |
14:30~14:40 | 休憩 | オンライン |
14:40~14:50 | 成形についての説明 | オンライン |
14:50~15:20 | 制作③(成形 カッティングシート模様打ち込み) | オンライン |
15:20~15:30 | 鏨による加飾、銅・真鍮メッシュの打ち込み 象嵌、板金の端面の研磨についての説明 |
オンライン |
15:30~15:40 | 制作④仕上げ(鏨による加飾、銅・真鍮メッシュの打ち込み象嵌、端面研磨) | オンライン |
15:40~16:00 | 鑑賞 | オンライン |
16:20~16:40 | 全体講評(教科別:文化庁による進行) | オンライン |