日程:令和6年2月15日(木)
講師:常田泰由・山田猛(東京造形大学)
受講者数:6名(定員 20名)
ミニアートブック制作から題材開発へ
― 表現と鑑賞及び言語活動、右脳と左脳との往還から ―
概要
絵画専攻領域教員によるミニアートブック制作を通して、個及び他者との関わりをもった表現活動の後、教職課程教員及び絵画専攻とのTTにより、表現と鑑賞、右脳と左脳、創造と破壊、描画と言語活動、生徒と指導者の視点等、それぞれの往還によるスパイラル的なイメージ生成を目指し、新たな視点や気づきを生み出すための授業デザインや、題材開発を目指した制作と鑑賞、及び討議による題材開発の議論へ。
活動の流れ
・レクチャー①
教職担当による研修のオリエンテーションとして、右脳と左脳の往還の重要性に関するレクチャーの後、絵画担当による立体コラージュとしてのアートブック制作や、創造と破壊の往還に関するレクチャー。
(その後、全国各地からの参加者とともに平田調査官及び講師が一緒に昼食をとりながらの交流が、午後の活動へのアイスブレークとなった。食後は構内のアトリエや工房といった美大施設設備を見学しながら、五美大展の搬入準備中の学生と交流を持った。)
・レクチャー②
・演習①
形や色彩による自由な表現活動を展開した。
〈描く〉 〈切る〉
〈選ぶ〉 〈交換する〉
〈頁構成を考えながら並べてみる〉
〈綴じる〉 〈絵本にする〉
表現活動を、個人制作及び他者との関わりの往還を通して、ミニアートブック制作を行った。
・レクチャー③
教職担当より、教材開発に向けての視点の提示。
・演習②
創造と破壊][個と他者]の往還による表現を振り返りつつ、自他の作品の鑑賞活動やプレゼンテーションを行なった。
その後、授業デザイン及び題材開発に向けてのグループ討議へと展開し、[表現と
鑑賞][描画と言語活動]の往還による[右脳と左脳]の活性化について議論を深めていった。
本日の研修を通して得られた生徒としての制作体験をもとに、新たな視点や気づきについて共有し、本題材の展開・発展や、表現と鑑賞及び言語活動、右脳と左脳との往還による新たな授業デザインや題材開発に向けての活発な議論が行なわれた。
「創造したものを破壊することで、新たな視点や気づきが得られことがある。」という点や、「右脳と左脳」等、様々な往還により活性化されることを採り入れて授業をデザインする事で、スパイラル的に高まって行く可能性について活発な議論が見られた。自由な表現から、色や形による構成や全体のイメージ、ミニブックとしての展開、ストーリー、創造と破壊のシームレスな往還や、破壊することで新たに見えてくる自分の枠からはみ出すきっかけづくりともなる点が確認された。
制作者が各自の作品にタイトルをつけ、他者も夫々の作品を鑑賞しタイトルをつけてみる提案がなされ実践した。そこに、作者本人が気がつかない新たな視点や解釈がなされ、それらを比べて議論することで、さらに鑑賞の活動の広がりや深まりが生まれた。
観賞と表現の往還や表現と言語活動を通して、多様な価値観が共有され、作者の表現意図や本質が伝わっていながら、さらに鑑賞者がそれに新たな価値づけがされていることが相互に確認できた。「作者自身はタイトルをつける際に観念的になってしまうところが、多様で緩やかな表現になっている。」
との本人にとっての気づきが言語化によって確認された。所属県も違いう高、特別支援教員、教育委員会等多様な参加者によって、切磋琢磨が見られた。
時間 | 内容 | 研修形態(方法) |
9:00~9:30 | 受付 | 各自 |
9:30~10:45 | 開講式・理論研修 | 参集 |
10:45~11:00 | 休憩・会場移動 | |
11:00~12:00 | オリエンテーション、レクチャー① 制作活動導入 |
参集/受講 |
12:00~13:00 | 昼食 美術館等構内施設見学 | 各自 |
13:00〜15:00 | レクチャー② 演習①ミニアートブック制作 |
参集/制作 |
15:00~16:30 | レクチャー③ 演習②鑑賞及び教材開発に向けての協議 |
参集/グループワーク |
16:40~17:00 | 平田教科調査官より講評 全体で振り返り |
参集/全体 |
17:00 | アンケート提出後、研修終了 |