• 以降のイベントを検索

令和6年度 全国研修会レポート [テーマ別実践研修]
小学校図工科[小図5]:実施担当 常葉大学

研修概要

日程:令和6年12月13日(金)
講師:長橋秀樹(常葉大学)
受講者数:9名(定員 20名)

テーマ

幼・小の連携についての理解と実践力の向上を目的とし、幼児から児童への発達特性を踏まえ、図画工作科で低学年から高学年へと拡張されてきた「造形遊びをする活動」についてその内容を理解し、実践力を養う。

研修会の内容

幼児教育の概要についての考察(三原)11:00~12:00
幼児教育の概要についての考察では、内閣府科学技術政策Sosiety5.0からSTEAM教育の総合的な教育を受け、現在の幼稚園教育要領から表現と環境の領域の解説を行い、小学校教育と幼稚園との橋渡し教育の現状を考えた。
幼児教育の歴史、主要な幼児教育フレーベル、モンテッソーリ、シュタイナー教育の紹介と美術教育の観点、古典的な美術教育のハーバート・リード、チゼックの思想を紹介し、スライドによる講義を行った。

子どもの描画発達についての考察(三原)13:00~14:00
子どもの描画発達についての考察では、心理発達理論として代表的なチゼック、ビゴッツキー、エリクソン、フロイトの紹介を行い、幼児教育の中の発達と美術教育の発達とを関連付けながら、現代に対応した講義をしている。
小学校図画工作の教科書から墨の表現に関するものを取り上げ、伝統的絵画の鑑賞と制作の実践を行い、その課題について考察した。

鉛筆を使用したワークショップ(長橋)14:00~17:30

鉛筆を使用したワークショップでは、参加者(現場従事者)の資質向上を目的とし、鉛筆の削り方とその形状について解説(鉛筆の持ち方にその根拠がある等)。
この活動のねらいは、自由曲線を主な描画方法に描画のスピード・筆圧・持ち方などのバリエーションを提案することで描画が身体運動であることを自覚させることである。計5枚の描画活動をしたが、最初と最後は個々に自由曲線を描いてもらい、その2枚(最初と最後に描いた自由曲線)の自由曲線の差異について参加者全員からのコメントを頂く。
ワークショップに続いてパワーポイントを使用し、幼児から児童への意向に伴う子どもの描画について、概要(描画の意義等)を解説。
続いて、1歳(乳児期)から6歳(児童期)までの子どもの描画画像を基に、主に描画を身体運動として捉える視点をポイントにしながら解説。

(

「造形遊びをする」と「絵や立体、工作に表す」の構造的理解(長橋)15:30~15:30
小学校学習指導要領における≪造形遊び≫の展開(1977年―2024年)について時代背景を交えながら、各改訂後の指導の目的の変遷を紹介。
前述の内容を踏まえて、美術教育において“遊び”の概念が改訂ごとに図画工作科に影響を与えつつあることを伝える。続いて、「絵や立体、工作に表す」について小学校学習指導要領(平成29年告示)p27~28の内容をキーワードを確認しながら考察。
最後に小学校学習指導要領(平成29年告示)「造形遊びをする活動」p26~27の内容についてポイントになる箇所に解説を加えながら参加者の理解を深めていただく。
※最後に小林調査官からの総評を頂き、終了。

実施スケジュール

時間 内容 研修形態(方法)
9:00~9:30 受付
9:30〜10:45 開講式・理論研修 対面
10:45~11:00 休憩
11:00~12:00 ・研修プログラム及びタイムテーブルの説明
・幼児教育の概要についての考察
対面、スライド視聴
12:00~13:00 昼食
13:00〜14:00 ・子どもの描画発達についての考察 個別作業
14:00〜15:30 ・鉛筆を使用したワークショップ 個別作業
15:30~17:00 ・「造形遊びをする」と「絵や立体、工作に表す」の構造的理解 対面、スライド視聴