日程:令和6年12月13日(金)
講師:黒川廣子・渡邉五大・西山大基・初山逸平・成島麻世(東京藝術大学)
受講者数:25名(定員 20名)
「工芸作品」と「作品をつくる道具」についての鑑賞教育
参加者数25名で、定刻よりDVD視聴による開講式と理論研修「学習指導要領の趣旨を踏まえた中学校美術科・高等学校芸術科(美術、工芸)」を実施した。
休憩を挟んだ後、黒川廣子本学大学美術館館長による木工芸と木彫の収蔵作品合計8点の鑑賞活動事前レクチャーを受講した。
須田桑月(1877-1950)、須田桑翠(1910-1979)作の桑材製の厨子や、高村光雲(1852-1934)、光太郎(1883-1956)作の木彫作品、また宮本理三郎(1904-1998)と澤田政廣(1894-1988)の木彫作品の特徴や時代背景、作者の人物像について解説があり、深い鑑賞活動への導入となった。
鑑賞事前レクチャー 美術学部中央棟第3講義室
収蔵作品の鑑賞 大学美術館資料閲覧室
その後、大学美術館地下資料閲覧室に移動して、実作品を鑑賞し、それらの良さや美しさを味わいながら感じ取った。
通常ガラスケースに入れられた状態で展示されていることがほとんどの貴重な作品群を、至近距離から熟覧する機会を得られた大変貴重な体験となった。
午後は場所を本学美術学部木工室に移して、木工道具の解説と「道具の仕立て方」実習を行った。
カンナの台を製作することを通して、優れた工芸作品を生み出すためには、適切に道具を整備する必要性があることを学んだ。
また、各参加者の勤務校の美術室や準備室に保管されている様々な道具類を見直し、再び活用することへの意欲が上がることに繋がった。
カンナがどのような構造になっているかの説明を受ける。
市販のカンナの刃に合わせ、自分のカンナ台を制作する。
完成した参加者は試し削りを行い、本日のプログラムは終了。今後の実践で活かしてもらえるように、カンナ台とカンナ刃、一分鑿、鋸は参加者に贈呈した。
内容として高度な技術を要するものだったこともあり、最後まで完成させられた参加者はわずか2名だったこと等、限られた時間内での研修の難易度設定については今後も検討していくこととなった。
その後の振り返りでは、数名の参加者から感想を述べてもらい、学んだことや生徒に還元できること等を共有し、研修を終了した。
時間 | 内容 | 研修形態(方法) |
9:00〜9:30 | 受付 | |
9:30〜10:30 | 開講式・理論研修 | 動画視聴 |
10:30〜10:45 | 休憩 | |
10:45〜11:30 | 収蔵木工芸・木彫作品についてのレクチャー | 参集 |
11:30〜12:10 | 収蔵木工芸・木彫作品の鑑賞 | 参集 |
12:10〜13:10 | 昼食 | |
13:10〜16:40 | 木工道具の解説と「道具の仕立て方」実習 | 参集 |
16:40〜17:00 | 全体振り返り、まとめ、研修終了 | 参集 |