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令和元年度 地区ブロック研修会レポート(北海道・東北地区) 小学校図画工作科・中学校美術科・高等学校芸術科(美術)分科会 (実施担当:秋田公立美術大学)

研修概要

日程:令和元年12月2日(月)〜12月3日(火)
会場: 秋田公立美術大学
講師:16名(アシスタントの人数:13名)
受講者数:49名(定員100名)

研修会の内容

1.開会式

開会宣言、開会のあいさつを毛内嘉威教授が行った。その後、尾澤勇教授が研修概要の説明を行った。

2.全体講義1「新学習指導要領の趣旨について」

新学習指導要領の趣旨について、東良雅人視学官より配付された資料をもとに講義が行われた。これからの社会を生きる子どもたちに求められる資質・能力の育成と芸術教育の意義について話された。

3.選択講座

①「金属素材・加工による、美術との関わり方を探る」

島屋純晴教授による講義と演習。最初に金属による造形と社会との関わりについて講義を行った。その後鋳造室へ移動し、オープンキャストによるアルミ鋳造を受講生が体験した。

②「人をつくる(テラコッタ技法による)」

皆川嘉博准教授による演習。男性モデルの塑像制作を受講生が体験した。最初に針金で心棒をつくり、その後テラコッタ粘土を使用して座りのポーズのモデルを造形した。

③「我が国の文化と生活の中の造形を体感する(漆芸制作)」

 

熊谷晃准教授による演習。蒔絵技法によるお椀と沈金技法による箸制作を受講生は体験した。まず、漆の伝統文化や技法についての説明を受け、その後、椀制作の図案を考え、カーボン紙で転写し、漆塗りし金粉を蒔いた。箸の制作では抽象的な形体の溝を彫り、漆を塗り、金粉を沈めた。

④「吹きガラス制作体験」

小牟禮尊人教授、瀬沼健太郎准教授による演習。吹きガラスの手法による造形を受講生は体験した。まず、全体説明と安全指導の後、吹きガラスについて実演を交えながら説明があった。その後3つのチームに分かれ、アイディアスケッチの後、実際の加工方法を体験しながら制作を行った。

⑤「考えを具体化するためのスケッチ演習」

坂本憲信准教授による演習。考えを具体化させるためのデザインについて実際の演習を通して受講生は体験した。簡単な図形の描かれている用紙に描き加えてみたり、耳を見ずに触りながら描いてみたりと、様々なアイディアを生み出す工夫について演習を交えて行った。

⑥前半『「アーツ&ルーツ」の複合性』/後半「東洋古代美術の『彩色』をテーマとした講座」

石倉敏明准教授、服部浩之准教授、井上豪准教授による講義。前半は、アーツ&ルーツ専攻の特色や取り組みの他、服部教授がキュレーター、石倉准教授がアーティストを務めたヴェネツィアビエンナーレの内容についても話された。後半は、井上准教授による東洋古代美術の「彩色」について、色を表現する際に使用される顔料や染料の特徴について、実際の映像を紹介しながら講義が行われた。

4.講演「美術と社会はどのようにつながっているのか」

藤浩志教授による講演。藤教授が行ってきたこれまでの制作活動や、社会の枠組みについて再考する取り組みの紹介等が行われた。

5.校種別講義・演習

⑴小学校

弘前大学教育学部蝦名敦子教授による講義と演習。低中高の学年に応じた図工題材の作り方について実際に素材を加工する体験も交えながら講義と演習を行った。

中学校・高等学校

秋田公立美術大学の尾澤教授による講義と演習。まず、講義「表現と鑑賞を往還する学び―木をみる視点と森をみる視点―」の後、リプロダクト版画浮世絵の鑑賞を行い、その後班ごとに共有化し、発表する演習を行った。

6.グループ討議

⑴小学校

秋田公立美術大学の毛内教授が司会となり、低・中・高学年別の授業づくりの可能性を考えるグループ討議を行った。一日目の講座で制作した作品を手に取りながらの検討や、2日目の藤教授の講演や蝦名教授の図工題材の作り方をもとにした話し合いも行われた。

⑵中学校・高等学校

秋田公立美術大学の尾澤教授が司会となり、中学高校別に班分けし、授業づくりの可能性を考えるグループ討議を行った。一日目の講座や藤教授の講演の講座を受けての授業づくりについて、班ごとにまとめ、発表し、全体で共有化した。

7.全体講義2「受講者の討議、まとめを受けて」

岡田京子教科調査官からは、子どもたちの描く絵は、課題は一緒でも生み出される作品は様々であり、教師の心がける視点が大切であるということが話された。

8.閉会式

はじめに、秋田公立美術大学の霜鳥学長からあいさつがあり、その後コンソーシアム事務局の本郷寛東京芸術大学名誉教授の総評の後、閉幕した。

実施スケジュール

時間 内容 研修形態(方法)
12月2日(月)

13:00〜13:10

開会式
13:20〜14:20 全体講義1「新学習指導要領の趣旨について」

東良雅人視学官

講義
14:35〜16:30 選択講座

①「金属素材・加工による、美術との関わり方を探る」島屋純晴教授

②「人をつくる(テラコッタ技法による)」皆川嘉博准教授

③「我が国の文化と生活の中の造形を体感する(漆芸制作)」熊谷晃准教授

④「吹きガラス制作体験」小牟禮尊人教授、瀬沼健太郎准教授

⑤「考えを具体化するためのスケッチ演習」坂本憲信准教授

⑥前半『「アーツ&ルーツ」の複合性』石倉敏明准教授、服部浩之准教授/後半「東洋古代美術の『彩色』をテーマとした講座」井上豪准教授

 

講義・演習

 

演習

 

演習

 

演習

 

演習

 

講義

12月3日(火)

9:00〜10:00

講演「美術と社会はどのようにつながっているのか」藤浩志教授 講義
10:15〜12:10 校種別講義・演習

小学校:「図工題材の作り方」蝦名敦子教授

中学校・高等学校:「表現と鑑賞を往還する学び

―木をみる視点と森をみる視点―」尾澤勇教授

講義・演習
13:10〜13:50 グループ討議

小学校:毛内嘉威教授

中学校・高等学校:尾澤勇教授

演習(対話型)
14:00〜14:40 全体講義2「受講者の討議、まとめを受けて」

岡田京子教科調査官

講義
14:40〜15:00 閉会式