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令和元年度 地区ブロック研修会レポート(関東甲信越地区)中学校美術科・高等学校芸術科(美術)(実施担当:女子美術大学)

研修概要

日程:令和2年1月23日(木)~1月24日(金)
会場:女子美術大学
講師:4名(他アシスタント 3名)
受講者数:21名(定員40名)

研修会の内容

1. 1月23日(木)

11:00~13:00 模擬授業 ①中学校の内容②高等学校の内容 全体 (受講)

最初に参加者には「生徒」になってもらい、学習指導要領に基づく授業を受ける側に立って体感していただいた。このことにより授業題材の魅力や展開の在り方などについて、ご自身の授業実践を振り返る機会としていただく趣旨である。授業を受ける側だからこそ、そこには気付くことがあると考えるからである。

模擬授業は2コマであり、参加者に合わせ中学校美術科と高等学校芸術科美術の内容を用意した。

中学校美術科の模擬授業は、女子美術大学の学生(3年生)が教員となり、「キャラクターデザイナーになって自分の干支に挑戦しよう」という題材で行った。本来の学年の中では2つしかない干支であるが、本研修会に即したアレンジで、参加者が12通りの各自の干支をモチーフにキャラクターデザインのアイデアスケッチを行った。50分間の時間内で、キャラクターデザインについての概要説明やデザイン化の要素、色彩等について導入で学び、題材の条件等を記入式ワークシートで確認するなど、工夫を行いながらアイデアスケッチをまとめるところまで行った。最後に、全員で机上の他者のスケッチ作品を鑑賞した。

高等学校の模擬授業は、都立高校のベテラン教員(指導教諭)が「自由制作のための導入ー1年間のカリキュラム振り返りー」を行った。当該高校は、1年生で芸術科目の必修を終えるため、ほぼ全員が美術科最後の題材になるという想定で、教科書やパワーポイントの豊富な資料提示、ワークシートの活用で、この1年間学んできたファインアート、もしくはデザインの分野で、自分が好きなものや表現したいものを計画性や自主性を持たせて取り組ませる題材の導入部分を行った。

二人ともリモコンを使用して、「生徒」の間を回りながらパワーポイントを操作して説明する形をとった。

14:00~15:10 講演・研究協議 学習指導要領概説 全体 (受講)

文部科学省初等中等教育局東良雅人視学官による学習指導要領に関する講演を行った。

15:20~16:15 グループ協議1 授業改善を進める指導計画 グループ (W.S)

グループ協議1においては、「授業改善を進める指導計画」をテーマに、中学校学習指導要領に記載された授業改善の3つの視点に基づいて、各自の授業実践の中からこれらにあてはまると思われる事例をワークシートに書き、司会者と発表者を決めて、個人の事例をグループ内で共有し、グループ内の代表的な事例を協議により決め、各グループが3分間で発表した。

来賓の芸術系大学コンソーシアム運営委員大学大坪圭輔武蔵野美術大学教授が、ここまでの研修会への感想を述べた。

16:15~16:30 指導・講評

東良視学官による指導・講評をいただいた。

 

2.1月24日(金)

 9:45~12:00 グループ協議2表現と鑑賞相互の関連を図った指導計画 グループ (W.S)

グループ協議2においては、『「A表現」及び「B鑑賞」相互の関連を図った指導計画』をテーマとし、高等学校学習指導要領解説の芸術編に記載されている指導計画の作成に当たっての内容を基に、各自が簡易型学習指導案の様式に

「発想や構想に関する資質・能力と鑑賞に関する資質・能力とを総合的に働かせて学習が深められた」という題材の事例について学習指導案を作成し、記入出来た者からグループ内に配布用コピーを取り、グループ協議でそれらを共有し、中間発表のための司会者と発表者を決め、代表的と思われる題材を一つ決めて、3分間の中間発表を行うために模造紙に発表資料を作成した。

各グループが発表資料を掲示して3分間で中間発表を行った。発表時、他のグループの発表について学んだ点、気付いた点を参加者が付箋紙にメモを書いた。

12:00~12:30 指導・講評 全体 (受講)

ここまででご退席される東良視学官からこれまでの発表に関して、学習指導要領の補足説明を含めて指導・講評をいただいた。

13:30~16:10 グループ協議3 指導案作成・模擬授業形式の発表 グループ(協議)

昼食休憩中に、他のグループの発表について学んだ点、気付いた点を参加者が付箋紙にメモした付箋紙を当該グループの発表資料に貼り、当該グループの午後の協議資料とした。これらをもとに協議を深め、よりブラッシュアップした指導案について実際の授業を模した10分間の発表を行った。協議には2人の模擬授業者も加わった。

この場においては、既に「現場の教員に戻る」必然性を強調した試みであった。

各グループが、貼られた他のグループからの付箋紙を踏まえ、改善した発表内容を模擬授業の形式で行った。

16:10~16:30 研修会総評 全体 (受講)

中村美知枝指導教諭から、グループの発表と2日間の研修について総評をいただいた。

 

本研修会は2日間に渡ったが、予定したプログラムをほぼ時間通りに進行することができた。参加者の意識も高く、いずれのプログラム目標を達成されたと思われる。参加者アンケートからもそのことが読み取れる。

 

  実施スケジュール

  日程・時刻        内     容 研修形態(方法)
1月23日(木)
11:00~13:00 模擬授業 ①中学校の内容②高等学校の内容 全体 (受講)
14:00~15:10 講演・研究協議 学習指導要領概説 全体 (受講)
15:20~16:15 グループ協議1 授業改善を進める指導計画 グループ (W.S)
16:15~16:30 指導・講評
1月24日(金)
 9:45~12:00 グループ協議2表現と鑑賞相互の関連を図った指導計画 グループ (W.S)
12:00~12:30 指導・講評 全体 (受講)
13:30~16:10 グループ協議3 指導案作成・模擬授業形式の発表 グループ(協議)
16:10~16:30 研修会総評 全体 (受講)