日程:令和2年1月11日(土)
会場:大阪市立大和田小学校 体育館
講師:
志民一成(文化庁教科調査官)
石上則子(東京藝術大学非常勤講師)
加藤昌則(作曲家)
(他 演奏家 4名)
受講者数:41名(定員50名)
小学校音楽科・中学校音楽科教員等を対象として行われた近畿地区ブロック研修会は、文化庁教科調査官の志民一成氏、東京藝術大学 非常勤講師の石上則子氏、作曲家の加藤昌則氏を講師に迎え、3県2府5市の教諭・指導主事等 合計41名が参加し実施された。なお、本研修は、近畿音楽教育研究連合会主催の研修会とタイアップする形で開催され、近畿音楽教育研究連合会所属の教員等 約210名を含めた、総勢 250名が参加した研修会となった。
研修は、3部構成で行った。内容は、第1部は志民一成教科調査官による講話、第2部は石上則子氏による「音楽づくり・創作の指導法と授業づくり」をテーマとした研修、第3部は加藤昌則氏と東京藝術大学の在学生・卒業生による弦楽カルテットによる「鑑賞の指導法と授業づくり」をテーマとした研修である。
研修会の冒頭では、志民一成教科調査官より、「新学習指導要領の目指す音楽科授業〜資質・能力の育成に向けた授業づくり〜」と題して講話をいただいた。輪唱カデンツを歌いながら実感を通して学ぶ場面もあり、思考・判断のよりどころとして〔共通事項〕を適切に関連させて指導させることについて等が解説された。
音楽づくり・創作の指導法と授業づくりを扱った第2部では、石上則子氏より「リズムパターンからつくろう」というテーマに沿って、常時活動として授業で行える事例や即興的にリズムアンサンブルを構成する方法等が紹介された。また、実際の授業を想定し学習指導要領との関連を考える場面もあり、受講生にとって本時間は、教師が児童の学びをいかに価値づけるのか、日々の授業を見つめ直す機会になったと思われる。
鑑賞の指導法と授業づくりを扱った第3部では、弦楽カルテットの生演奏を鑑賞しながら、各楽曲の魅力がレクチャー形式で加藤氏より解説された。
バッハ作品のもつ“色合い”についてや、各弦のもつ音の“明るさ”について、メロディーを生かすハーモニーの意味、音楽を立体的に構成するために用いられる技法について等、ときには色分けされた楽譜を提示しながら、楽曲の面白さと聴きどころが解説された。加藤氏の徹底した楽曲分析と広範な知識による解説をきいて、受講生からは「作品のもつ奥深さとそれを分かりやすく伝えることの大切さに気付かされた」という感想もきかれた。加藤氏より提示された鑑賞のポイントや方法は、受講生の日々の授業づくりに新たな視点を提供すると同時に、楽曲を児童へ提示する際の“見せ方”の工夫・改善につながるものであった。
時 間 | 内 容 | 研修形態(方法) |
12:30〜13:00 | 受付 | |
13:00〜13:55 | 【研修①】
調査官 講話 |
講演 |
13:55〜14:00 | 休憩 | |
14:00〜15:10 | 【研修②】
音楽づくり・創作の指導法と授業づくり |
講義・演習 |
15:10〜15:15 | 休憩 | |
15:15〜16:25 | 【研修③】
鑑賞の指導法と授業づくり |
講義・鑑賞 |
16:25〜16:30 | アンケート記入 |