日程:令和元年11月29日(金)【彫刻・デザイン・工芸】
会場:沖縄県立芸術大学
受講者数:彫刻2名、デザイン2名、工芸4名 計8名
会 場 |
沖縄県立芸術大学 彫刻棟2F講義室 |
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講 師 |
波多野泉、砂川泰彦、長尾恵那 |
定 員 | 10名 |
受講者数 | 2名 |
始めに本講座の目的と学習指導要領との関連を念頭に置き、彫刻講座の内容、制作の工程を説明した。本研修会の最後に再度、学習指導要領の関連個所の確認をおこなった。
彫刻講座の午前は、友人をモデルにした塑造制作ということで、予め用意された麻紐、アルミ針金やポリスチレンフォームで心棒を作り、石粉粘土を使用しての塑造制作を行った。石粉粘土は一度、袋から出し、十分に練って水分が蒸発しないよう再度袋に入れて使用するなど、石粉粘土の特性や取り扱いなどを説明した。胸像制作を進めるにあたり、参加者同士がモデルとなって頭部、首、胸部等の構成や人体の構造を観察し、大まかな粘土付けを行った。
昼食の前に、これまでの工程を振り返り、制作の時間配分などの意見交換を行った。
午後から鑑賞を行い、中学生に観察を基にした彫刻制作ワークショップの様子を記録した写真と様々な塑造作品のスライド鑑賞を行った。その後、塑造制作を再開し、細部表現の制作について説明し15:30に制作終了後、講評会を経て、関係者を交えてのグループ討議となった。
時間 | 内容 | 研修形態(方法) |
9:30〜9:50 | 受付 | |
9:50〜10:00 | 開会挨拶、事務連絡(日程等説明) | |
10:10〜12:30 | 彫刻講座〈制作〉胸像作品の心棒作り(教材の提案)、石粉粘土の素材説明、粘土荒付け(石粉粘土の参考作品鑑賞を適宜織り交ぜながら) | 制作 |
12:30〜13:30 | 昼食 | |
13:30〜15:55 | 〈制作〉細部制作、仕上げ
〈鑑賞〉スライド鑑賞「塑造彫刻作品」、「中学生の石粉粘土を使ったワークショップ」 〈グループ討議〉本研修の意見交換(本研修の感想、教材研究、開催時期について、学校現場の状況等) |
制作、鑑賞 |
15:50〜16:00 | 閉会挨拶 アンケート |
会 場 | 沖縄県立芸術大学 首里崎山キャンパス デザイン中央棟3階 | ||
講 師 | 仲本賢・又吉浩・大城愛香 (アシスタントの人数:1名) |
定 員 | 20名 |
受講者数 | 2名 |
本研修の主眼である「中学・高校における美術・芸術科の学習指導要領との関連」を確認しながら、鑑賞を含む講義と造形的表現実習を交互に織り交ぜながら研修を進めた。
まず、簡単な自己紹介と研修のガイダンスを行なった後、粘土アニメの簡単な作品紹介を行った。一つ目はイタリアミッセーリ・スタジオの「ミオ&マオ」(MIO&MAO)、そして「ポッツィー」(POZZIE)であった。
その後アニメ制作用のソフトウェアと映像機器、設置の場所の条件、使用する粘土の説明を行った。
粘土アニメがどのようなものであるのか確認の後、粘土アニメの基本的な仕組みの紹介をした。そして又吉浩准教授によるデモンストレーションの後、作品の構想を受講者と大学側教員とで話し合い、タブレット端末(iPad)を使用して動画撮影を開始した。
11時から10分間の休憩を挟んで、粘土アニメ制作を再開した。途中何度かの変更を加えながら昼食時間になったため、12時30分から1時間の休憩。13時30分から作業を再開。14時に完成したため、講評会を実施し、その後小休憩を挟んで、アニメーションの社会的役割や危険性について深く考察するため、作品鑑賞を行う。
1つ目は1997年、視聴者が光過敏性発作などを起こした放送事故「ポケットモンスター第38話 でんのうせんしポリゴン」を視聴してもらい、アニメーションに起こりがちなストロボやフラッシングなどの激しい点滅について討論した。
2つ目は戦時体制を背景にした文化的に貴重な一作「動物となり組」(1941年)を視聴。子どもを対象にしたアニメーションはその心理的(教育的)な操作の効果も大きく、戦時には多くの国で、国策(プロパガンダ)漫画映画が大量に制作されたこと、「動物となり組」は中でも丁寧に作られた、ある意味傑作であることなどを紹介し、その後受講生との討議に入った。どれも活発な意見が出た。
その後、アニメーション映画の簡単な歴史と、今回の講師陣の考える、見ておくべき重要なアニメやオススメのアニメをかいつまんで紹介した。また、講師人の日頃の作品を紹介し、アニメーションが職業として成り立つ方法、実績を紹介し、生業としてのアニメーションを討議した。
最後は沖縄県立芸術大学や本研修に対する要望などを聞いた後、この研修の締めくくりと、意見をアンケート用紙に書いていただくようお願いした。
時間 | 内容 | 研修形態(方法) |
10:00〜10:15 | 自己紹介、ガイダンス | 講義 |
10:15〜10:30 | 粘土アニメ作品例鑑賞、Mio & Maoなど。 | 鑑賞 |
10:30〜10:45 | 粘土アニメの基本的な仕組みの紹介 | |
10:45〜11:00 | アニメのデモンストレーション及実作 | |
11:00〜11:10 | 小休憩 | |
11:10〜12:30 | 粘土アニメの制作 | |
12:30〜13:30 | 昼食時間 | |
13:30〜15:50 | 制作、講評、および鑑賞会 | |
15:50〜16:00 | アンケート |
会 場 | 沖縄県立芸術大学首里崎山キャンパス工芸棟及び、附属図書・資料館 | ||
講 師 | 真栄城興茂、山田聡、名護朝和 (アシスタントの人数:陶1名、織1名) |
定 員 | 20名 |
受講者数 | 4名 |
本講座の目的である「中学における美術、高校における芸術科工芸の学習指導要領との関連」を確認しながら、工芸講座の内容、制作の工程を説明した。本研修会の最後に再度、学習指導要領の関連個所の確認をおこなった。
本工芸講座では、午前を織と陶芸の2分野を開講し実技演習、午後は沖縄県立芸術大学の資料館で収蔵している染色作品を教材にした鑑賞教育演習を行った。主な講師は、真栄城興茂教授、山田聡教授、名護朝和教授。
まず、それぞれの2分野で講義の導入を行う。織分野では実習に使用する植物染料(月桃の茎)の採取をキャンパス内で行い、自然環境と染色素材の説明も合わせて行った。陶芸分野では今回扱う楽焼の特徴と歴史的背景を軸に導入を行い、授業運営における本実習の扱い方も指導した。
引き続き、織分野では、染場においての実技指導として、採取した月桃の染材の煮出し、絹布の準備、繊維と染料の相性の指導、及び使用するガス機器の作業上の安全管理や、染色及び媒染素材と酸性、アルカリ性の説明、作品の水洗、使用器材の片付けなどの指導を行う。
陶芸分野では、楽焼の釉薬説明をし、予め用意している素焼き生地(カップ、箸置きなど)への施釉(色付け)の後、釉薬の乾燥行い、簡易窯による焼成(約1000℃)に移る。その際、生徒に対する窯の安全説明を踏まえて、本焼成を開始。焼成は1回につき6〜8分程度で行い、休憩をはさみつつ3回実施した。作品には、焼成した際に木炭などが付着するため、事後の処理も合わせて指導した。
両講座とも実技終了後、成果物の鑑賞ポイントなどの講義、講座における質疑応答や教諭からの全体感想などの聞き取りを行い、次年度以降の参考とした。
午後から当蔵キャンパスにある附属図書・芸術資料館へ移動し、沖縄県立芸術大学が所蔵する鎌倉芳太郎資料「古紅型裂地」と「古琉球紅型型紙」の鑑賞を行った。資料閲覧の前に導入として、沖縄県立芸術大学が所蔵する鎌倉芳太郎資料、沖縄の染「紅型」、琉球王府時代の紅型等についてスライドを用いて解説し、その後別室に移動して資料を鑑賞した。まとめとして紅型復元製作についてスライドを用いて解説し15:35に鑑賞終了後、実技の織と陶、鑑賞の染との合同グループ討議となった。
時間 | 内容 | 研修形態(方法) |
10:10〜10:40 | 織)課題説明、植物染料(月桃の茎)の採取、自然環境と素材の説明、授業運営と課題について | 導入 |
10:10〜11:00 | 陶)課題の全体説明、及び楽焼の説明(特徴と歴史) 授業運営と課題の扱い方 |
導入 |
10:40〜11:30 | 織)染場において実技指導、染材の煮出し、絹布の準備 繊維と染料の相性及び作業の安全管理 | 実技 |
11:00〜11:30 | 陶)現場における実技指導、施釉(釉薬説明)、及び釉薬による色付け、乾燥 | 実技 |
11:30〜12:20 | 織)染色及び媒染 素材と酸性、アルカリ性の説明 | 実技 |
11:30〜12:00 | 陶)簡易窯による焼成(約1000℃)、安全説明 | 実技 |
12:20〜12:30 | 織)水洗、使用器材の片付け 作品鑑賞のポイント本課題の指導要領との関連、運用について | 鑑賞、まとめ |
12:00〜12:25 | 陶)成果物の後処理、及び作品鑑賞のポイント 本課題の指導要領との関連、運用について |
鑑賞、まとめ |
13:30〜15:15 | 地域の伝統工芸にふれる(染)スライドレクチャー
始めに沖縄県立芸術大学の芸術資料館が所蔵する鎌倉芳太郎資料について、沖縄の染「紅型」について、琉球王府と紅型等について等を解説し、沖縄県立芸術大学の芸術資料館所蔵品である紅型見本3点、型紙7点の鑑賞を行う。 |
導入 |
所蔵品の鑑賞 | ||
15:15〜15:35 | 紅型衣裳の復元製作についてスライドで解説し、鑑賞のまとめを行う。 | 鑑賞、まとめ |
15:35〜15:55 | 本講座の指導要領との関連及び活用と課題について 織、陶、染合同によるグループ討議 |
グループ討議 |
15:55〜16:10 | アンケートの記入及び質疑応答 |